書くのが苦痛?過度な自己否定は無力感を生み出す
下手でも創作を続けられる思考法とメンタルコントロール術を書いています。
過度な自己否定に飲み込まれないようにしよう
「創作は産みの苦しみ」とはよく言ったもので、作家・クリエイターとして活動するには様々な困難が待ち受けています。
そのなかでも有名な困難が、自己評価の仕方。何事も自己肯定と自己否定は必要なのですが、どちらか片方ばかりになってしまうと意味がないんですね。要はバランスが大事なんです。
自己肯定が強い人は上達はしないけど幸福度は高いのであまり気にしなくても大丈夫です……が、問題は自己否定が強い人。そういった人は上達しないうえに幸福度も低いので、さんざん苦しんだ挙げ句なにも得られなかったという最悪の事態に陥ってしまいます。
こういった現象は、冷静な人ほど起こりやすいです。自分のダメな部分に目が行くので、現状に満足できなくなってしまうのですね。その結果向上心ばかりが先走りして過度な自己否定に襲われ、物作りを楽しめなくなって挫折することになります。
初心者のうちは、下手でも作り続けることが再優先事項です。そのためには、過度な自己否定に襲われないようなメンタルを身につけることが重要となります。
というわけで今回は、冷静な人ほど陥りやすい過度な自己否定の罠と、それを避ける方法を紹介します。
0か100思考は捨てよう
白黒はっきりつけたがる人は、うつ病になりやすい傾向があります。
0か100思考も同様に気が滅入ります。「成功か失敗のどちらかしかない」という考え方をする人は99点以下を0点と見なすのですが、確率的に考えて100点を取ることは不可能に近いです。小学校のテストみたいな簡単な課題であれば別ですが、社会では難しい課題ばかりでなのでそうもいかないでしょう。
世の中には「これは0か100か分からない」といった結果で溢れています。そのことにまずは気づきましょう。そして、結果というのは他人が評価するものです。課題に取り組む自分自身が点数をつけたところで、それは自己完結にしかなりません。特に創作というのは他人を喜ばせるための行為なので、自分が満足しなくても他人が喜べば十分なんです。
他人と競争しないこと
よく身内で競争させて人材を育てようとする人がいますが、逆効果です。
誰かを目標にして頑張ってしまうと、その誰かを超えた瞬間に目標達成ということでモチベーションがなくなります。逆に負ける側の人間は、いくら頑張っても勝てないので無力感に襲われて、努力を放棄します。そもそも目標は固定されているほど目指しやすいので、人間という常に変わり続けるものが対象だと頑張りづらいんですよね。
目標に設定するのなら、昨日までの自分がベストです。過去の自分であれば実力が近いですし、価値が変動しないので目指しやすいですよね。最初のうちであれば、少し頑張れば超えられるので気楽に課題に取り組めます。それでいて毎日少しずつ進歩していけるので、モチベーションも長続きするでしょう。
自分を許すことが長続きのコツ
色々と理屈を並べても、悲観的な性格の人だとなかなか受け入れられないと思います。
「それでも、やっぱり自分の下手さ、稚拙さが許せないんだ!」
そういった人には、言葉を投げかけるだけではなかなか変われないでしょう。
この記事を書いている僕自身も長年、自分の下手さ加減に嫌気が差しています。ひどい時は、執筆中に頭が霧がかったような不透明さに襲われて思考停止状態に陥ります。書きたい記事はたくさんあるけど、「この題材で良質な記事を書けるのか? これを書いてみんな喜んでくれるのか?」と考え出して、臆病になってしまいます。
しかし不思議なことに、読み返してみてクソだと思った記事や小説でも、誰かが喜んでくれたりするのです。僕が若気の至りで書いた黒歴史……いつか消そうと思っていた小説を読んだ方が「貴方の作品好きです」と感想を送ってくれた時、一人でも喜んでくれたなら書いた意味あったのかなと思えました。
過度な自己否定に飲み込まれたら、何も行動できなくなる。
自分がクソだと思ったものでも、誰か一人くらいは喜んでくれるかもしれない。
クソを作っても別に誰も損しませんし、気にしてるのは自分だけです。クリエイターの世界では物を作るだけでも立派なんですから、まずは生産すること。生産性をゼロにするような考えは排除することから始めましょう。