ここでは「小説家になろう」にて掲載されている小説作品『生まれつき魔族と戦士族』を紹介しています。
概要&あらすじ
作者名:稲木なゆた※上記のブログカードをクリックすれば、作品ページへ飛びます。
他国への侵略を繰り返し、世界を呑みこもうとする勢いで成長を続ける大国、セヴィオール帝国。
その帝国が支配する大陸の端に、モルタリアと呼ばれる小さな王国がある。
かつては帝国内の小さな町でしかなかったその国は、魔術と呼ばれる不思議な力を操る魔族《マグス》と、圧倒的な身体能力を誇る戦士族《ベラトール》という二つの新たな種族の誕生によって、めざましい発展を遂げていた。
だが、そんな世間の華々しいイメージの裏側で、二種族との共存を望まない多くの人間たちは、国の崖下に集落を作って生活していた。
そこは毎日のように雨が降り、大地が水に浸かり、陽の光もろくに届かない世界。崖の上で暮らす人々は、いつしかそこを〝下段〟と呼ぶようになった。
これは、そんな下段で何も知らずに育った二人の子供が、やがて人や国の大きな陰謀に巻き込まれていくまでのお話。
(作品ページより引用)
ジャンル
およそ裕福とはいえない場所で生まれ育った主人公の2人(男女)が、類まれない才能を見込まれて学院に入り、勉強や人間関係に楽しんだり苦しんだりする話。バトル要素ありのハイ・ファンタジーです。
雰囲気
三人称視点。文章量自体はweb小説として適度。描写・説明は薄めですが、キャラクターの心理描写はしっかりしているので、十分楽しめるかと思います。
キャラクター
登場人物の数は多いのですが、書き分けはできているので覚えやすいです。男女の数は大体同じくらい。格好いいキャラも可愛いキャラもいるので、男女ともに楽しんで読めるかと思います。
オリジナリティ
キャラクターを見ているだけでも面白いですね。主人公(女)のほうはバカに見せかけて、ちゃんとバックボーンを感じます。他のキャラだと、あえて重要なことを語らないことで存在感が出ていたり。キャラ作りの基本はできているし、その場に応じての情報量も適切ですね。後、絵が上手い。
感想・評価
文法・文章評価:3pt
物語(ストーリー)評価:3pt
※「Reminiscence:マルナ」までの感想面白い部類の作品ではあるのですが、そのわりにはポイントが低い作品ですね。上の評価はやや控えめにしていますが、少なくとも底辺は脱出できるレベルとポテンシャルを持っています。それではなぜ人気が出ないのかというと、以下の部分が問題になっているかと思います。
文章については、可もなく不可もなしで、やや不可。最低限の読みやすさはあるのですが、場所・人物の描写がなくてイメージしづらいところがあります。後は描写による盛り上げ……「ここで読者に、こういう気持ちになってもらおう」という場面なのに、文章があっさりしすぎていて物足りなさを感じました。後は、サブタイトルをしっかりつけた方が良いですね。
ストーリーについては、4よりの3といったところ。キャラクターは悪くないから楽しめるのですが、物語構成において2つくらい大きな弱点があって、そこで損をしています。ひとつ目は、最初に世界観(舞台設定)についてきちんと描写してほしかったという点。もうひとつは、バトル物を連想させる要素がたくさんあるのに、重みのある戦闘シーンがない点。自分が読んだ時点で20万文字くらいはあるのですが、それまで大きめな事件(もちろん、バトルを絡めて)が最低でもひとつは欲しかったですね。
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